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そもそもネットの海はなんの寄る辺もないフラットな世界だ。お偉い政府のページも、ブロンドとおっぱいのページも、おいしい話とその裏で息を潜めてる詐欺も、ぜーんぶ。幾ばくかの文字の羅列でイコール。そんな混沌とした海を渡るのに羅針盤もありゃしない。それじゃ迷子が続出しちまう。
ついで眼の効く漁師がその海に渡りをつけた。北極星を頼りに陸の見えない沖にまで船を漕ぎ出し、見つけた珍しい海洋生物たちへの行き方をリンク集にまとめだした。そうなれば多くのにわか漁師は、自前で冒険する危険より、リンク集を巡る安全な旅路を選ぶようになる。
そこに声高らかにサーチエンジンがやってきた。大航海時代にモノを運んで財を築き上げたように、情報をネットの海から運んでくるようになった。ただの船乗りから目利きの商人の時代へ。でも彼らはその目利きで財を築くより簡単な方法に気が付いた。素人衆にゃ目利きはわからねえ、ちょいとウチが紹介すれば千客万来よってなもんで、バックマージンとってそいつを紹介し始めた。
どうも商人はイケすかねえ、なんて時代の走りに、今度は別の奴がやってきた。Google。奴は言う、『 目利きなんてのに頼るからそうなる。必要なのはひとりの目利きじゃない。みんなが何見てんだかそろばんはじいてみりゃほらこの通り。ね?簡単でしょ?目利きなんか頼りにならないよ。』と。
まあ犬の歴史はさておいて、かくしてGoogleは商人の世界をひっくり返した。華々しい大航海時代は終わり、高度情報化社会ってもんがやってきた。
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“いんたーねっと”とかいう得体の知れない何かがやってきて、一番ビクついてたのはマスメディアだ。情報は買い上げられ、取捨選別され、綺麗に加工されてお茶の間にお届け。誰でも事情通。誰でも政治に訳知り顔で喧々諤々。彼らの帝国は情報という通貨を一手に握ることでその土台を築き上げた。同業者同士の足の引っ張り合いやだまし討ちこそあれ、帝国は揺ぎ無い。それが20世紀のルールだった。情報とはマスに降り注ぐ天啓であるが如くに。
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push型pull型。かつてメディアとネットを比較して語られた対立。曰く、ネットはpull型で興味のある人間がクリックしてやってくるのだから広告効果は高い。曰く、気に入る情報しかみないから歪な細分化がやってくる。曰く、マスとの組み合わせこそが最強。
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おたく。ヲタク。趣味が高じてってやつ。時には生活を傾けてまで逝っちゃうやつ。あれさ、そもそもで言えばお金かかるわけよね。ほっといてpushされてくるマスとは違う自分が欲しい情報を集めるんだから。そんだけのコストを調達するには他を犠牲にするしかないからね。好きを追うには生贄が必要。サクリファイス。Sacrifice。
その犠牲を払った馬鹿だけが見ることのできる世界があり、その楽園に辿り着けた馬鹿だけがヲタクの称号を手にしたんだ。
でもね、どこかの誰かがコストを下げちゃったんだ。それもとんでもなく低いところまで。コストが掛かることを思い出せないぐらいに。おかげでにわかヲタが蔓延して、一握りの本物を見つけるのは一苦労。コストが下がったのに、今度はどれが本物か見分ける目利きが必要になってきたよ。
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俺は調べたかったのか?『リムパックは何年から開始したんだっけ』『ギジェルモ・オチョアってどういう選手だ?』『グラニュー糖と砂糖ってどう違う?』。
“調べたいから調べる”と“調べられるから調べる”とでは全然違う。対価を払ってでも調べたいものとは、知りたいもの、だ。でも調べられるから調べるものは暇つぶしにリモコンぽちぽちザッピングと同じだ。知りたいわけじゃないけどコストが低すぎるからってだけ。
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相変わらずまとまりもとりとめもない。幾分詩らしさはなくなってきた。
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毎日ね、プールに通ってるよ。ノルマは1km。25mプールを40回。だいたい20分ぐらい。身体を動かすのはいいことだ。頭が冴えてくる。プールから上がってもしばらくは汗が出続ける。身に付いた要らない脂肪を身体から追い出せ。さて要らない知識はどうする?
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知識は何よりも宝になる。そして重荷にならない。生きていくための力だ。
君を奴隷の身から救ってくれる手段になるだろう。
知識を与えてやろう。
( 鋼の錬金術師 19巻 )
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さてどうするべ。
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